◼︎期限のある手続き
相続が発生すると、様々な手続を一定期限までに済ませる必要があります。
ここでは、相続が発生して3年10ヶ月以内に処理すべき手続きを紹介したいと思います。
◼︎7日以内にやらなければならないこと
◇死亡届の提出
死亡後7日以内に死亡診断書を添付して、該当する市区町村の長に提出します。
◼︎3ヶ月以内にやらなければならないこと>
◇相続放棄の申し出
相続人が被相続人の財産及び債務について一切の財産を受け入れないことを「相続放棄」といいます。例えば、被相続人のマイナス財産がプラス財産よりも多い場合に「相続放棄」をすることによって、すべての財産を放棄することができます。
この「財産放棄」をするには、家庭裁判所に申し出ることが必要です。
◇限定承認の申し出
被相続人の財産をすべて無限に承継することを「単純承認」といいます。これに対し、プラス財産の範囲内でマイナス財産を承継することを「限定承認」といいます。
借金の額がその時点で把握できない場合に使われることがあります。これも家庭裁判所に申し出ることが必要です。
◼︎4ヶ月以内にやらなければならないこと
◇所得税の準確定申告
不動産所得や事業所得などの所得税の確定申告が必要な人は、通常、翌年3月15日までに前年分の所得の確定申告を行いますが、年の途中で死亡した場合には、その年の1月1日から死亡の日までの期間の所得を確定申告しなければなりません。これを「準確定申告」といいます。
この申告は相続人全員が納税者となり、被相続人の所得税の申告を行う義務があり、所轄の税務署に申告します。
◼︎10ヶ月以内にやらなければならないこと
◇相続税の申告
被相続人の遺産に対して相続税がかかる場合には、相続開始を知った日から10ヶ月以内に相続税の申告をしなければなりません。また特例を適用する場合も、申告が必要です。
相続税は、相続人が実際に取得した財産に対して相続税が課されることになるため、遺産分割協議も申告期限(10ヶ月)までに整っていることが前提になります。つまり、原則的には遺産分割協議も10ヶ月以内という事になります。
◇相続税の納付
相続税を現金納付する場合には10ヶ月以内に納税しなければなりません。また、その他の納税方法である延納(国に借金する事)や物納(物で納める事)も、申告期限(10ヶ月)までに申請書を提出し許可を受けなければなりません。
◼︎1年以内にやらなければいけないこと
◇遺留分の減殺請求
民法では、法定相続人が必ず相続することができるとされている最低限の相続分(=遺留分)が保証されています。万一、遺言によって遺留分未満の財産しかもらえなかったときには、遺留分を侵した相手に対して相続の開始から1年以内に「遺留分の減殺(げんさい)請求」を行うことで、これを取り戻すことができます。
◼︎3年10ヵ月以内にやらなければいけないこと
◇相続税の特例適用のための分割期限
相続税の軽減特例である「配偶者の税額軽減」、「小規模宅地の評価減」や「特定事業用資産の特例」の適用は、遺産分割協議が整っていることが適用要件となっているため、申告期限(10ヶ月)までに協議が整っていない場合には、適用ができない内容の申告となります。
その後、3年以内に協議が整えば、その時に特例を適用する申告内容に訂正することができます。
◇取得費加算の特例
相続財産を譲渡した場合の所得税の譲渡の特例(取得費加算)は、その譲渡が相続税の申告期限から3年以内に行われたときだけに限られています。
以上、期限のある手続きについてお話いたしましたが、全てが必要というわけではありません。ただし、知らなかったでは済まされないのが、この期限のある手続きです!
もしも、日程が迫っている、具体的に何をすれば良いか分からない、という方は、すぐにお問合せください。
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